Alleyでのビデオ変換

考えてもみてください。コーデックやら変換(コンバージョン)やらを楽しめるのは特異なマゾヒストのみです。一部の人はGOP構造にのめりこんで変態的な愉しみを見出すかもしれませんが、多くの人はコンテキスト適応型バイナリ算術符号化や、分散適応クオンタイゼーションよりも、ただスクリーンをフラッシュさせまくることに興味があるのではないでしょうか。

それが、私達がAlleyにDXVコーデックと変換ツールを導入した理由です。専門的知識などは不要です。覚えておくべき事は、DXV = 愛とAlley = 人生 これだけです。

変換はクリック2回で

Alleyにドラッグ&ドロップでファイルを追加すると、リスト下部に”Convert”ボタンが表示されます。

そのままボタンをクリックします。ファイルがコンバートリストに追加され、AlleyがConvertタブに切り替わります。ここではセッティングについては気にしなくて大丈夫です。後ほど解説します。あなたがすべきことは、いまや“Queue”ボタンに変わった、同じ場所をクリックする事だけです。

もう一度このボタンを押すと、ファイルのコンバートが開始します。AlleyはQueueタブに切り替わり、変換の進捗状況をモニターできます。

完了すると、今までオリジナルがあった場所の隣に、オリジナルファイルのDXVエンコードバージョンが準備万端となります。これだけです。完了です。

簡単だと申し上げた通りでしょう?

バッチ変換

勿論、一度に複数のファイルをコンバートしなければならないこともあるでしょう。

Alleyでは、シングルファイルを変換するのと同様、容易におこなえます。”View”リストに複数のファイルを追加し、CTRL-A (MacではCMD-A)を使用してすべて選択し、Convertボタンを押してから、Queueボタンを押すだけです。

AlleyはあなたのコンピューターのCPUを使用して、可能な限り速く変換します。Convert/Queueがあった下部エリアに進捗が表示されます。

変換はAlleyに任せて、あなたは作業に戻れます。変換が完了したらDXVエンコードのファイルが、オリジナルファイルの横に表示されるのが確認できます。

イメージシーケンス

Alleyを使用することで、イメージシーケンスをビデオに変換できます。

別のフォルダにシーケンスを保存し、各イメージは名称を連番にしてください。次に、フォルダをAlleyにドラッグします。Alleyは各ファイルはシーケンスであると判断して、1つのファイルとして表示、キュー、およびコンバートします。 

コンバージョンセッティング

もちろん、Conversionリストにファイルを追加した後、変換方法を細かく調節できます。

ビデオ

DXVフォーマット

ここで、エンコードするDXVフレーバーを選択します。DXVの優れた点や、どのフレーバーをどのような場合に使用するのか、詳しくはこちらをご覧下さい。

不安な点があれば、"DXV Normal Quality, No Alpha"を選択するのが安全です。

サイズ

ここでは変換したファイルのサイズをピクセルで指定します。通常は、ソースと同じにすると良いでしょう。特定のサイズにする場合は、よく使用される解像度のリストから選択するか、カスタム値を入力します。

スケーリング

レンダリングの解像度を選択したら、オリジナルイメージを新規フレームに合わせる方法を決定します。


  • Fit 歪ませずにイメージ全体を表示し、両サイドまたは上下に黒い帯を付加します。
  • Fill フレーム全体にイメージを表示しますが、イメージの一部が欠けます。
  • Stretch アスペクト比に構わず、オリジナルを引き伸ばして新しいサイズに合わせます。

トリム

モニター下部のスライダーで、映像を任意の長さにトリミングします。詳細にトリミングするには「Conversion Setting(変換設定)」で設定します。

オーディオ

オリジナルファイルにオーディオトラックがある場合は、ビデオと一緒にコンバートします。

リニアPCMオーディオにコンバートされます。必要に応じてサンプルレートおよびビットデプスを調節します。

もちろん、オーディオボックスのチェックを外すと、オーディオトラックを完全に削除します。

アウトプットフォルダ

コンバート完了後、変換したファイルを保存する場所を決定します。

  • Same as Source オリジナルと同じフォルダに保存します。いずれがどのファイルかを識別するため、プリセット名をファイルの最後に付加します。プリセットについて詳しくは、下記をご覧下さい。
  • Same as Source / Preset Name オリジナルファイルの隣に、プリセットの名前でサブフォルダを作成します。変換したファイルはオリジナルの名前を保持し、サブフォルダに格納されます。この方法は、ファイルをセットにして管理し、DXVバージョンによって置き換える必要がある際に便利です。
  • 最後に、Browse... コンバートしたファイルを格納するフォルダを選択します。

ファイル名

また、変換したファイルに特定の名前を付けることもできます。これはファイルを1つだけコンバートした際に便利です。ファイル名を複製してもし重複した場合は、Alley側で変換したファイルに番号を振って解決します。

プリセット

特定のコンバージョンセッティングを良く使用する場合は、そのセッティングをプリセットとして保存すると良いでしょう。

Alleyは、4つのDXVフレーバーのためのプリセット4つを備えた状態で出荷されますが、必要に応じ、プリセットをいくつでも追加できます。

まず、あなたのセッティングを完璧に仕上げましょう。

値を変更する際、“Preset"ドロップダウンが”Custom “に変わるのに気づくはずです。プリセットドロップダウンを開き、”Save...“を押します。そしてプリセット名を選択します。ResolumeのエフェクトやMIDI、OSCなどすべてにおけるプリセットの働きと同様です。

ヒント!プリセット名は賢くつけましょう。というのもファイルやフォルダの命名に使用されるからです。プリセットを変更すると、コンバートされたファイル名が更新されるのが確認できるはずです。

ボーナスヒント!アウトプットフォルダを含むすべてのセッティングはプリセットの一部です!つまり、デスクトップなど、コンピューターの特定の場所に常にファイルをコンバートするよう選択できるということです。

マジカルなパワー、ユーザーパワー

コンバージョンワークフローのスピードアップをはかるには、2~3の方法があります。

特定のプリセットで変換する

Convertリストにファイルを追加してプリセットを選択する代わりに、ファイルを右クリックしてリストからプリセットを選択できます。

するとファイルは自動的に、選択したプリセットを使用して、リストに追加されます。 

複数を選択することもできます!

複数のプリセットでコンバートする

このようにConvertリストにファイル1つ、または複数のファイルを追加した後も、Viewリストにフォーカスしたままです。ここで同じファイルを再度リストに追加し、今度は違うプリセットを使用します。 

これで、同じファイルで解像度の異なるバージョンがすばやく準備できます。

コンバージョン設定の調節

これまで見てきたように、Convertリストにファイルを追加後でも、コンバージョン設定を微調整できます。これは複数のファイルを選択し、セッティングを同時に変更したい場合などにも有用です。

ここで要点に迫りますが、CTRL/CMDを使用してリストから複数のコンバージョンターゲットを選択し、これらのターゲットのセッティングを調節します。

特定のファイルの順番(Queue)を最初にする

私たちはみなこのような経験をします。YoutubeからリッピングしたファイルやBeepleクリップの入った12GBのひどい小型メモリを受け取り、ショーまで2分しかありません。コンバージョンを始めようとしたら嫌なツアーマネージャーがハウスの前に走ってきて、あなたに向かって、DJのひどい回転ロゴループを今すぐ流せ!と叫びます。

彼または彼女を、冷静になれ、こちとらプロなんだから、となだめたら、そのファイルをConvertリストから選択し、“Queue”ボタンを押します。そうすると、そのファイルが最初にコンバートされます。完了したら、ブラウザで右クリックして表示させ、スクリーンに送って、あとは残りのことだけ考えれば良いのです。


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