キーボードショートカット

Resolumeのコントロールをマウスで行うのはもちろん素晴らしいことです。1つ1つのパラメーターへアクセスでき、正確に設定できます。とはいえ、ライブパフォーマンス中には、マウス以上の制御ができるほうが便利でしょう。マウスでスクロールしたり検索したりすることなく、任意のコントロールをその瞬間実行したい、ということもあるでしょう。そんな時にショートカットが役立ちます。

ショートカットを使用し、コンピューターキーボードやMIDIコントローラーのボタンを、Resolumeのコントロールに適用します。CTRL-C および CTRL-V が、コピーおよびペーストのショートカットである、といったことと同じです。 ただし、それらのショートカットの内容をユーザーが決定しなければなりません。

Resolumeは、コンピューターキーボードやMIDIコントローラー、OSCメッセージを通じて、外部コントロールに対応します。Arenaを起動している場合は、ライティングデスクからのDMXインプットも使用できます。

キーボードショートカットの割り当て

では、シンプルなショートカットから始めましょう。ブラックアウトボタンが良いですね。スペースバーを押すと、アウトプット全体が真っ黒になるものです。これはある種のパニックボタンとして (“うわ、なんだこれは、スクリーンから消えてくれ!”というような状況です)、またはビッグドロップの前に緊張状態を作り出すのに便利です。

ショートカットを作成するには 'Shortcut' メニューを開き、ショートカットを作成したいプロトコルを選択します。Shortcuts > Edit Keyboard へ行きます。インターフェイスが部分的に青くなります。

ショートカットモードに入るためのショートカットとして CTRL-SHIFT-K を使用できます。

トグル

青色のものにはすべてショートカットを割り当て可能です。インターフェイス左上にあるコンポジションバイパスボタンを探し、マウスでクリックします。

スペースバーを押してみたら、、、ジャジャーン!最初のショートカット割り当てができました! Bypassボタンの大きさが十分であれば、割り当てられたショートカットを読むこともできます。

ESCキーを押してショートカットモードを終了すると、スペースバーを押してコンポジションバイパスのオン/オフ切り替えができるようになっています。 オン・オフ・オン・オフ・オン、、、はい、この辺でやめておきます。

Piano mode

さらに深く掘り下げましょう。 キーボード ショートカットモードに戻り、もう一度コンポジションバイパスモードを選択します。インターフェイスの右下にショートカット(Shortcut) タブがあります。このタブは、ショートカットモード時にのみ表示されます。このタブでは、すべてのショートカットがリスト表示され便利です。

選択したコントロールに対し、異なるオプションを選択することもできます。

コンポジションバイパスはとてもベーシックなコントロールで、オン/オフを実行します。そして "ピアノ"オプションを備えています。 Resolumeの全ボタンはピアノモードにセットできます。ピアノモードでは、キーまたはボタンを押下している間はオンが継続し、リリースするとオフになります。

"だけどResolume、ピアノってそんな風に動作しないじゃないか! " ええ、おっしゃる通りです。「ピアノ」は、あなたが楽器を演奏しているという意識を持ちやすい名称です。ですから、あなたのお好みに応じてモーメンタリーとかフラッシュとかお呼びいただいても構いません。

ショートカットでピアノモードを有効にしたら、インバート(Invert)も選択可能になります。これは、ボタンを押している間コントロールをオフにし、リリースするとオンにします。

レンジ

ボタンショートカットをスライダーパラメーターに割り当てると、さらに深く潜れます。 まずは楽しく遊べるパラメーターをセットアップしましょう。

クリップに'Invert RGB' エフェクトをかけます。 その全パラメーターはいじらずに、ブレンドモードを'TimeSwitcher' に変更します。不透明度(Opacity)パラメーターでレートをコントロールしながら、反転したクリップをストロボできます。ほら、かっこいいと思いませんか?

そしてショートカットモードに入り、Invert RGBエフェクトの不透明度にショートカットを割り当てます。' ] ' キーを使いましょう。

ショートカットタブに新たなオプションが表示されるのが確認できます。最大のものは"Range"と呼ばれる大きなスライダーです。現在、あなたはスライダーにボタンショートカットを割り当てていますが、スライダーには単純なオン/オフのみでなく様々な値があります。レンジオプションで、ボタン押下時/リリース時、スライダーのジャンプ先の値を確認します。

値を 0 および 0.10とします。マウスでイン/アウトポイントをドラッグするか、値をクリックして数値を入力します。ショートカットモードを終了し、”]”キーを押すと、クリップが透明度10%でストロボ〜オフになります。グオオオオ!

このモードにはピアノオプションもあります!グ、グオオオオン!

Value(バリュー - 値)

トグルの代わりにボタンを、スライダーを直接任意の値に設定するのに使用できます。ショートカットパネルでモードを「Toggle」から「Value」に変更します。心配は無用です。 ベロシティについても後ほど解説します。はやる気持ちはわかりますが、しばらくお待ちください。

Valueモードで、コントローラーを使用してスライダーを任意の値に設定します。 ' ] ' を押すと、Invert RGBの不透明度(Opacity)を、それ以前の値に関係なく 0.10に設定します。これはパラメーターを特定の値にリセットする際にとても便利です。

マルチショートカット

マルチ(Multiple)ショートカットは特に素晴らしい機能です!パラメーターに2つ以上のショートカットを割り当てます。シンプルにショートカットを選択し、右クリックして、「ショートカットの複製(Duplicate Shortcut)を選択します。

' ] ' をこれまで2回使用したことが確認できます。そのうち1つをクリックすると選択されるので、異なるボタンを押して、好みに応じて変更します。

では' ['  と ' ]' を使用しましょう。

そして、各ショートカットキーに対し異なる設定をします。

さあ両方のキーを、ピアノをオンにした状態で 'Toggle' モードにしましょう。第1のショートカットのレンジを0 および 0.05にします。第2のショートカットは0 および 0.1にします。するとインバートエフェクトを異なるレートでストロボできます。ピアノに設定され、両ショートカットの最小レンジは0で、いずれのボタンをリリースしてもエフェクトがオフになるからです。

ヒント!あなたが、ひきつけを起こしそうなストロボでオーディエンスをクラクラさせることにさほど興味がなくても、マルチショートカットで 'Hue of a Colorize' エフェクトを、試しに任意の値に設定してみると良いでしょう。ビデオのカラーをライトのカラーと素早くマッチできます。

ショートカットターゲット

クリップトリガーまたはレイヤーのコントロール、クリップもしくはグループパネルにショートカットを割り当てると、このターゲット(Target)オプションが表示されます。TargetオプションよりResolumeに、ショートカット割り当て方法を正確に伝達します。 3つのモードがあります: 

By Position(ポジションによって)

クリップまたはレイヤーの順序のままにショートカットを割り当てます。これがレイヤーおよびグループパネルにおけるショートカットのデフォルトモードです。

例えばレイヤー不透明度(Layer Opacity)のショートカットは、 デフォルトでは「By Position」となっています。 なぜなら、その後レイヤーを並べなおすにしろ、第一のフェーダーはコンポジションの第一レイヤーに使用した方がよいためです。

This Clip, Layer または Group(このクリップ、レイヤーまたはグループ)

このターゲットは、クリップをどこに移動しようと、ショートカットを特定のクリップ、レイヤーまたはグループに割り当てます。

これによりショートカットを、例えばカラーフラッシュのように、常に特定のクリップをトリガーするよう指定できます。クリップがレイヤー1にあろうと、コラム1やレイヤー27にあろうと、コラム95にあろうと問題ありません。常に特定のショートカットでトリガーされます。

ご注意ください! その特定のクリップ、レイヤーまたはグループを削除すると、そのショートカットも消失します。

Selected Clip, Layer または Group(選択したクリップ、レイヤーまたはグループ)

このターゲットは、現在選択されている特定のクリップ、レイヤーまたはグループにショートカットを割り当てます。それは現在各パネルに表示されているクリップ、レイヤーまたはグループとなります。クリップパネルで割り当てたショートカットはいずれも、このモードがデフォルトになっています。

ちょっと待って!何?

"Resolumeちょっと待ってよ!わざわざ小難しくしてないかい? ただ機材をセッティングしてさあOK!ってわけには行かないのかな? こんなことをいちいちやっている時間のある人なんてどこにいるんだろう。ただ何をどうしたらいいか指示してくれればいいんだよ!"

もしもあなたがこの解説を今ひとつ飲み込めなければ、ショートカットをすべて'By Position' ターゲットにしましょう。固定のコントローラーレイアウトを扱っている場合は、これが合理的です。

'Selected' ターゲットは強力で、コントローラーを最大限活用できますが、自分がしている事をきちんと把握しておく必要があります。

'This' ターゲットが必要になるのは通常、1つの特定のショーに、特別な物をコントロールする場合のみです。

ショートカットグループ

ショートカットグループとは、一連のラジオボタン、またはドロップダウンに割り当てられたショートカットです。 どのラジオボタンとドロップダウンかはっきりわからない?パラメーターのページに詳述しています。

これらのタイプのコントロールに割り当てられたショートカットは特殊です。 通常のコントロールはオン/オフの2つのオプションしかありません。ショートカットグループにはそれ以上あります。

クリップの方向(Clip Direction)コントロールには4つのオプションがあります:進む(Forward)、戻る(Backward)、停止(Pause)およびランダム(Random)です。 Autopilotにも4つあります。レイヤーブレンドモード(Layer Blend Modes)には数えきれない、多数のオプションがあります。

これらのコントロールにショートカットを割り当てると、洗練された高次元の世界へ足を踏み入れることになります。 この瞬間、ボタンを乱打していた「誰か」から、威厳あるショートカットの専門家へと脱皮するのです。

Direct(ダイレクト)

一番ベーシックなのは、ショートカットを任意の「アイテム」に直接割り当てることです。「アイテム」とは少々不思議に聞こえるかもしれません。これは単純に、例えば、あるキーをクリップを先へとプレイするのに使用し、別のあるキーをクリップを逆戻りにプレイするのに使用する、といったことです。

それにはインターフェイスでボタンを選択し、キーをただそれらに割り当てるだけです。Modeボックスで、適用の状況を確認します。

同様に、ショートカットを任意の各レイヤーブレンドモードに割り当てたり、レイヤーのAuto Sizeオプションに割り当てたりもできます。

Piano(ピアノ)

ショートカットをアイテムに直接割り当てると、オプションとしてピアノも使用できます。 ピアノをオンにすると、ショートカットを押した際にそのアイテムに切り替え、リリースすると、設定内容に関わらずその前の設定に戻ります。

たとえば音楽のとても忙しいパートで、クリップを素早くランダムプレイバックに設定し、 それからボタンをリリースして、ボタンを押す前にプレイしていた方向に戻ります。

次へ(Next/前へ(Previous/ランダム(Random

「新アイテムの選択(Select Next Item)」「前のアイテム(Previous Item)」および「ランダムアイテム(Random Item)オプションを使用すると、さらにすごい事ができます。これらを選択すると、そのコントロールグループの中のすべてのアイテムを循環します。

すると、たとえば全レイヤーブレンドモードを循環できます。あなたは好みに合ったものが現れるまで、同じボタンを押し続ければ良いのです。

特定のアイテムの循環

ショートカットコントロールの要点を知りたければ、ショートカットを複製して、グループ内の他のアイテムに割り当ててみてください。

たとえば、同じキーに通常再生と逆再生を割り当てると、ボタン1つでこの2つのオプションを切り替える事ができます。 前へ後ろへ、前へ後ろへ、、、。もし完璧なコントロールをお望みであれば、これと組み合わせてピアノをご使用ください。

好きなだけの数のアイテムを同じキーに割り当てる事ができます。キーを押すたびに、Resolumeは次に割り当てられたアイテムへと循環します。

Keyboard特有のモード

キーボードショートカットのみで利用できる、特有のモードが1つあります。それは「マウス」です。奇妙に聞こえるでしょうが、実のところ非常に優れています。

マウスモード

'Mouse'(マウス)モードでは、ショートカットを押しながらマウスを使用し、パラメーターをコントロールします。 

たとえば、PのキーをクリップのX位置に割り当てます。マウスモードに切り替え、レンジを -960 〜 960、またはコンポジションサイズにあわせて設定します。

さてPキーを押すと、マウスの水平方向の動きが、クリップの水平方向の位置を制御できるようになっています。

次に何をするか、きっともうお分かりですよね?

PキーをY位置にも割り当てます。マウスモードに切り替え、今度は'Vertical'(垂直)にします。1920x1080のコンポジションなら、レンジを -540〜 540に設定します。

そしてPキーをホールドすると、クリップ位置をフルコントロールできる状態になっています。Pキーをリリースするとその場でクリップがフリーズし、マウスで再びポインタを動かしたり、クリックできるようになります。

ショートカットプリセット

各ショートカットモードにつき、プリセットを保存します。これによって、状況に合わせて異なるレイアウトおよびショートカット割り当てを保存し、呼び出すことができます。

例えば、もしあなたが機材好きならば、お持ちのコントローラーごとに異なるプリセットを設定できます。普通の人々は、同一のコントローラーに異なるレイアウトを設定できますので、スタイルの異なるショーに合わせて使い分けることができます。または、ミュージシャンの友達と一緒にAVショーをする場合に、それぞれのプリセットを用意することもできます。青空と同様に、無限の可能性があります。

割り当てたショートカットの1つ1つは、現在のプリセットに自動的に保存されます。プリセットの切り替えは、ショートカットパネルのドロップダウンよりおこないます。また、リスト下部の 「New.../Save as.../Remove and Rename... 」オプションからもプリセットを管理できます。

プリセットは単純に、コンピューターに保管されたXMLファイルです。 ですからコンピューター間でプリセットを交換したり、VJ の友人たちとシェアできます。また、我々のフォーラムで、ほかのResolumeユーザーともシェア可能です。

選択すると、このプリセットに割り当てた全ショートカットのリストが表示されます。

リストには現時点で割り当てているショートカットの一つ一つが含まれています。そのため、トラブルシューティングに大変便利です。あなたがオタク気質をお持ちなら、ショートカットの名前を見ただけで、それで何をコントロールするのか察しがつくでしょう。

デフォルトでは、リストはショートカット名順に並んでいます。値によってソートし直すことも可能で、これは二重に割り当てているショートカットを発見するのに便利です。その場合は赤で表示されます。

不要なショートカットは、Backspaceキーを押すか、または右クリックメニューから消去(Delete)を選択します。悪いショートカットだ!こいつめ!という塩梅で。

デフォルト

Resolumeは、デフォルトで役立ちそうなショートカットレイアウトを設定した状態で出荷されます。 むろん、そちらを使いやすく編集していただいても良いですし、全く無視していただいても構いません。Resolume はフリーダムです。

ショートカットは こちらでご覧ください。

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