多数のアウトプット

"Resolumeでアウトプットを110個使いたい!どんなコンピューターが必要かな?

よくこういった質問を受けます。アウトプットの数は変わっても、主旨はいつも同じです。
人々はResolmeで多数のアウトプットを使用しようと、最良の方法を模索しています。これに答えるのは容易ではありません。なぜなら明確な技術的解決法などはないからです。

あなたが良い選択をできるよう手助けします。このドキュメントでは、大抵の開始状況をカバーし、あなたの状況にあった解決法を選択できるようサポートします。こちらが、プリファレンス順の、オプションリストです:

  • シングルGPUとアウトプット ×個
  • シングルGPUとDatapathエクステンダー 
  • シングルGPUと複数のBlackmagicカード
  • シングルGPUと安価なエクステンダーもしくはプロセッサー
  • 1台のマシンに複数のGPU
  • 外部プロトコルでシンクした複数のマシン

プリファレンスは、パフォーマンスが良く、セットアップの信頼性が高い組み合わせの順となっています。言い換えれば、リストの下の方に行くほど、推奨度の低いセットアップとなります。ただし、上記の推奨度はあなたの使用目的、要求やスキルレベルによって大きく変わりますことをご留意下さい。

フローチャート

最初は簡単なフローチャートからはじめましょう:

え、どういうこと?“アウトプットポートを拡張する”だって?

グラフィックカードにはある種の制限があります。Nvidia GTX 1080を例にとって解説しましょう:

  • 最大ポート数、Nvidiaでは4つです。
  • 各ポートの最大解像度、GTX 1080では7680x4320です。
  • 最大テクスチャーサイズ、現在の大抵のGPUでは16384x16384となっています。つまり:心配はご無用 ということです。

TripleHead または Datapathを使用している場合、使用可能なポートのうち1つしか使用できません。これらはエクステンダー(拡張)のため、大きなイメージを使用し、独自のハードウェアを使って複数のアウトプットに分割するためです。お使いのカードの、ポート毎の最大解像度は4Kを超えますが、Datapathでは1つのポートをHD×4に、Matroxでは720p×3(ファームウェアが対応していた倍)に拡張します。コンピューターはエクステンダーを、すでに接続している他のアウトプットに追加された、1つの、大きなアウトプットとみなします。

MSTハブを使用すると、1つのアウトプットを3つにできます。各アウトプットは、独立した個別のディスプレイとしてコンピューターに表示されます。ですがMSTハブはアウトプットを拡張はしません。依然としてアウトプットはGPUが対応している最大4ポートに制限されています。3ウェイ MSTハブを最大4ポートのNvidiaカードに追加すると、カード上のポートはあと1つしか使用できません。他の2つは無効になります。そういうわけで、MSTハブはラップトップGPUなどの、シングルアウトプットのカードに使用するのが得策でしょう。

お使いのGPUの最大スペックが不明な場合は、製造元へお問い合わせください。

"frame-sync"って何?

各アウトプット機能が、独立したサーフィスまたはサーフィスの集合の場合は、心配する必要はありません。Frame-syncは問題にはならないでしょう。あなたのステージに12のLEDスクリーンがあり、8つは最初のアウトプット、4つは2番目とします。この場合、アウトプットをFrame-syncにする必要はありません。

2つ以上のプロジェクター、あるいは複数のプロセッサーで制御しているLEDスクリーンを ”縫い合わせた” サーフィスがある場合、あるいは複数のプロセッサーで制御しているLEDスクリーンがある場合、Frame-syncが関係してきます。

frame-syncがないと、各アウトプットはそれぞれのタイミングで動作します。つまり各アウトプットは、数ミリ秒ごとにリフレッシュします。すると、スクリーン間で「ホリゾンタル ティアリング(水平の断裂)」ができます。数ミリ秒の間、サーフィスの片側には現在のフレームが表示されているのに、もう片側には次のフレームが表示されてしまいます。

ほとんどのGPU製造元はGPU同士を同期するオプションを、ソフトウェア(Eyefinity, Mosaic)またはハードウェア (Quadro Syncのいずれかで用意しています。Blackmagic SDIのアウトプットは同期のため、常に外部ハードウェアのリファレンスクロックが必要です。

シングルGPUのコンピューター1台

常に最良で、最も信頼性とパフォーマンスの高い構成です。Resolumeはすべてのレンダリングを、メインディスプレイとして設定されているモニターを有するGPUで行います。シングルGPUを全アウトプットに使用すると、可能な限り最善のパフォーマンスが得られます。

難点は、現時点では、市場には6つ以上のアウトプットを持つ良いGPUがなく、ユーザーインターフェースで5アウトプットとコントロールモニター1つに制限されてしまうことです。

Nvidiaは8つのアウトプットを持つカードですが、全アウトプットをフルHDで走らせるだけのレンダリングパワーがありません。Matroxには8または16のアウトプットを備えたカードが2〜3ありますが、スプレッドシートに使用する用途で、Resolumeを起動するのに必要なOpenGLエクステンションには対応していません。

シングルGPUでも、アウトプットは必ずしもframe-syncは必要ではなく、また完璧にマッチさせるためには、ハードウェアゲンロックまたはソフトウェアシンクが必要だということを念頭においてください。

シングルGPUおよびDatapathを備えたコンピューター1台

これは2番目に良い選択です。Datapath Fx4のようなエクステンダーを使用すると、ポート1つを複数のアウトプットに拡張できます。Resolumeは、ユーザーのアウトプットがとても大きくなったのだと認識し、パフォーマンスに追加の負荷は特に与えずに、そのままレンダリングをメインGPUで行います。

Datapath製品は、デイジーチェイン(Fx4) またはディストリビューション(X4)のいずれかですが、お使いのGPUがもっとポートを備えている場合、複数のDatapathをパラレルで走らせることができます。

もちろん、条件によって左右されます。Datapathは通常セットアップの信頼性が非常に高いですが、リフレッシュレート解像度とスキャン方法(インターレースまたはプログレッシブ)の組み合わせである、データのバンド幅に注意を払う必要があります。たとえば、Fx4モデルでは、4Kの60Hzが唯一使用できますが、適切なDisplayPortケーブルを使用する必要があります。

またDatapathは、お使いのアウトプットポートの最大アウトプット解像度を超えて拡張することはできませんので、ご注意ください。ご不明な点は、Datapathの販売元に、互換性についてお問い合わせください。

シングルGPUのコンピューター1台+Blackmagic Quad 2

Blackmagicにはビデオストリームをアウトプットできるカードがいくつかあります。それらはフルデュプレックスモードで1, 2, 4 または 8つのアウトプットを持つPCIe カードまたは USB/Thunderboltドングルを備えています。カードを組み合わせて使用することもできます。

さらに有利なことには、カードにより、3G, 6G または 12G SDIからアウトプットするという選択肢が生まれることで、これは他のコンシューマー向けグラフィックカードにはありません。

難点は、GPUから直接アウトプットするのとは違い、ピクセルデータはBlackmagic機器へ送信されることです。それにより60 ms以上の遅延が生じます。特にBlackmagicを通常の GPUと組み合わせて使用する場合、明らかな同期のズレが生じるでしょう。

もう一つの難点は、放送用の解像度(PAL, NTSC, 720p, 1080i, 1080p, 2160p)に限定されることです。一般的なコンピューターの解像度である、XGA (1024x768), WXGA (1280x800) または WUXGA (1920x1200)などには対応していません。

Duo 2 または Quad 2カードをセットアップして4または8のポートをアウトプットとして使用する場合、Blackmagic独自の”Desktop Video Utility”をいじる必要があります。

シングルGPUのコンピューター1台とMSTハブ

(もしくはZotac, またはMatrox TripleHead, またはUSB からHDMI ドングル)。



費用対効果が高く、うまく動作さえすれば素晴らしいです!ただしうまく動作するかどうかは、当たり外れがあります。あるシステムでうまく動作しても、ほかのシステムでは動作しないこともよくあります。あるものはMac とPCの両方で使えるが、AMDカードのみでNvidiaは使用できない、またあるものはNvidia とAMD両方使えるがPCでしか動作しない、さらにあるものはDisplayport 1.2 では機能してDisplayport 1.1では機能しない、そしてあるものはHDMIコネクターでは動作するがDisplayport 経由でHDMIアダプターを接続すると動作しない、等々。まるで地雷原のようです。

ご注意ください。MSTハブを使用しても、元々カードが対応している以上のアウトプット数は得られません。たとえば、MSTハブ3つをGTX 1080で使用してアウトプット10個を使用することはできません。つまりAMD R9シリーズではアウトプット6つ以下、Nvidia GTXではアウトプット4つ以下です。たとえポートがまだ余っていたとしてもです!これは、GPUのアーキテクチャによる物理的な制限で、対応数以上のアウトプットを接続すると、コンピューターはブルースクリーンになってしまいます。

ヒント!Resolumeでは、大きなアウトプットを作るためにエクステンダーを使用しても、またカード経由で個別のアウトプットを複数使用しても、まったく差異はありません。どちらの選択肢でも、利用可能なすべての機能やスライス、マスキング、ブレンディングは変わりません。そうではないという人たちは、自分が何を言っているのかよく理解していない人たちです。

ご不明な点は、エクステンダーの販売元に、互換性についてお問い合わせください。

GPU2つを備えたコンピューター1台


ほとんどの場合は問題なく動作します。ご注意ください、カードを追加するとパフォーマンスに負荷がかかります。そしてカードを2枚使用しても2倍のことができるわけではありません。むしろ逆です。

Resolumeは、お使いのオペレーティングシステムに、レンダリング方法を決定させます。これは素晴らしいことです、なぜならお使いのOSがディスプレイを探知できれば、Resolumeで使用できるということだからです。新しいカードはすぐに動作しますので、私たちがそのカードに対応するのを待つ必要もありません。

2〜3例外があり、複数のAMDカードをPCで使用すると、私たちのOpenGLレンダリングと相性が良くありません。すべてのカードでEyefinityグループを作成すると、これらの問題に対処できますが、お使いのメインモニターがEyefinityグループの一部となるため、問題含みのセットアップです。

オペレーティングシステムにレンダリング方法を決定させるということは、レンダリングに使用するカードをOSが決定するということでもあります。ほとんどの場合、メインモニターを持つカードがこれにあたります。

ですから、ほかのカードのアウトプットを使用する場合、そのテクスチャーが真っ先にレンダリングカードでレンダリングされます。それから、マザーボードを経由してレンダリングカードのPCIeレーンを転送され、ほかのカードのPCIeレーンへたどり着き、やっとポートから送出されます。これは常にパフォーマンス負荷が生じます。カードを足せば足すほど、負荷も大きくなります。

SLI/Crossfire はなぜおすすめできないか

Resolumeは、SLI/Crossfire には対応していません。多くの人がアウトプットを増やすためにSLIが使用できると考えます。ですが使用できません。

SLIおよびCrossfireは、レンダリングパワーを高めるため複数のGPUによる力を合わせ、マスター/スレーブセットアップとして働くため設計されています。SLI/Crossfireを使用しても、アウトプットを増やすことはできません。SLI/Crossfireの有効時、スレーブカードのアウトプットは無効になるか、少なくとも、カード1枚を使用した場合とアウトプット数に変わりがない状態に再構成されます

その上、追加のレンダリングパワーはResolumeにはあまり関係がありません。ResolumeではGPUが集中的に使用されますが、通常これがボトルネックになることはありません。リアルタイムで4Kのレイキャスティングを、100%ジェネレイティブの設定でおこなうのでないかぎりは、または多数の16Kを16Kテクスチャーでカットアップするのでなければ、レンダリングに追加のGPUパワーは不要です。

外部プロトコルでシンクした複数のコンピューター

これは、特に拡張性が必要な場合には素晴らしいソリューションとなり得ます。

欠点は、かなりの工夫が必要なことと、サードパーティ製のコントロールツールを使用した際に最善の結果が出せるということです。「箱から出してすぐ使える」という方法ではありません。

ご注意ください。各コンピューターの、クリップのプレイヘッド同期にSMPTEタイムコードやOSCを使用する際、必ずフレームシンクしたコンバインドアウトプットになるわけではありません。各コンピューターはそれぞれに処理をおこなっており、シンク信号のデコーディングや、ディスクからのピクセルデータの獲得、最終結果のレンダリングおよび出力が、ほんの少しずつ速かったり遅かったりします。

特に、2台のコンピューターをエッジブレンディングしている時、またはそれらを1つのLEDウォールにシームレスにつなげている時、フレーム間であきらかな差異が生じます。